沖縄のクラフトビール情報(2023/03)
はじめに:黎明期かつ発展途上、しかし楽しい
顧客数や流通事情など、本土に比較して沖縄は不利を背負っており、クラフトビールについては本土に比較するとまだまだ発展途上といえる段階であろう。
話に聞くには、沖縄は、米やパンなどが何故か本土に比較して味が劣るという言説もある。しかしながら、各地域が重視もしくは探究する方向性の違いもあるであろうし、また最近では沖縄のパン屋の質も大きく向上しているとの話も聞いた(本土出身者がやっているという話も)。
クラフトビールについてどうであるかは定かではないが、数人の醸造家の話を聞いた限りでは、始まったばかりながらも各ブリュワリーはそれぞれある程度固まった指針を持っているようであった。
正直に言えば、本土の方がより美味しいビールを見つけることは簡単であると思う。しかしそれは日本に対して、イギリスやドイツやアメリカを語るのと同じで、単純に時や場所を選ばない美味しさを求めるのであれば、それは評価の高いビールを取り寄せて家で飲めば良い。各醸造所が居を構える場所において、顧客や生産者の都合都合に合わせた、その土地のビールというものを楽しむ、そういった趣を感じることが良いのではないかと思う。
那覇
ウォルフブロイ(WOLFBRAU)
首里城近くにあるブリューパブ。最寄りの儀保駅からは少し上り坂になっている。
ドイツ系のビールを製造販売しており、アルトやレッドエールを飲んだ限りでは体に染み入るような柔らかさの美味しいビールであった。
浮島ブルーイング
那覇観光客の溜まり場、国際通りや牧志公設市場近くにあるタップルーム。醸造施設はどこにあるのだろう。
ビールは、そこそこ、発展途上という印象。内装がおしゃれで、フードも大人な感じ。デートとかには良いのだろう。
かねひでクラフトブルワリー
旭橋駅と壺川駅の間あたりにあるブリューパブ。ビルや商業施設が並ぶ街の一角にあり、店内は非常に狭く、店外のテラス席もあるようだった。
ビールはかなり気に入った。大きめの企業が最近始めた一事業のようで、正直期待せず訪れたのだが、ベーシックなラインアップがそれぞれきちんと作られている印象で、非常に良かった。中でもやや汗ばみながら最初に飲んだヴァイツェンはとても爽快で記憶に残っている。
おすすめ。
コザ麦酒工房 那覇久茂地店
国際通りの北側にあるタップルーム。コザ(沖縄市)の方にブリューパブがあるらしい。
ここではビールは変わり種1種しか飲んでいないため、味についてはコメントが出来ない。ただし、ここで食べたジャークチマグー(おそらく豚足を煮て揚げたもの)は中がとろとろで、揚げ物として最高の味わいであった。
コザ(沖縄市)
Cliff Beer
おそらく当記事で紹介する中で最もアクセスの悪いブリュワリー。自分が訪ねた時はタップでの提供はなく、瓶ビールを販売しており、外の席で飲んでもいいよという感じであった。
事前調査ではウォルフブロイとここが沖縄のクラフトビールとしては特に有名という印象を受けていた。
ビールは副原料を色々使っているものが多いようで、沖縄で親しまれている月桃の葉などの野草を使ったセゾンなどがあり、最も沖縄らしさが強かった。正直に言うと自分の好みとは合わず、アクセスの悪さや瓶での提供などを考慮すると、わざわざ訪れずとも、市中のビアバーなどで飲めばいいかなと思ってしまった。
Fill brewing
コザの繁華街を練り歩いている時に偶然見つけたブリューパブ。訪れた時は醸造開始前であったが、2023/11時点ではどうやら既に醸造を始めており、オンラインストアで購入もできるようである。
店主の方は、見た目はやや怖目ではあるものの、話すと非常に感じの良い方で、醸造開始前ではあったが、ビールの話をしながらビールを飲むという点では非常に楽しい所であった。次の機会にまた訪れるのが楽しみである。
名護
ドルフィンズビアガーデン
名護のやや外れにある、酒屋に併設されたブリューパブ。1階でビールを購入後、螺旋階段で上がった屋上にはビアガーデンがあり、時間を合わせれば夕日を眺めることが出来る。
ビールは訪問時は三種類のみで、ペールエール、IPA、ポーターがあった。当時醸造開始直後くらいであったと思うが、どのビールも雑味なく、マイナス点が見当たらなかった。個人的にはペールエールが最も好みで、ペットボトル封入で自宅まで持ち帰るなどした。次点のポーターがもう少し甘かったらと思ったら、店主の方も、味見段階ではもう少し黒糖由来の甘みが残っていたと仰っていた。
今記事内で最も那覇から遠く訪れる機会が少ない場所ではあるが、名護の街は、観光客が溢れる那覇、米軍兵が夜な夜な騒ぐコザなどと違い、地域の活気が(未だ)残る良い場所であった。この記事を目にした人には、ここのビールを理由の一つにし、是非一度訪れて見て欲しい。
終わりに
訪問からはや8ヶ月程経ち、記憶も薄まりながらの記事であるため、やや情報として古くなってしまったが、あくまで個人の備忘録なので、まぁいいだろう。
最初に書いたように、純粋に味のみなら沖縄のクラフトビールより美味しいビールはいくらでもあるだろう。しかしながら、旅の一つの楽しみには十分に値する。なにより執筆中、何度もまた行きたいなと思ってしまった。
神津島旅行(2020/03)
新型コロナウイルスで旅行自粛ムードが漂うなか、これならリスクは少ないかと思い、2020/03/13-16の日程で、東京都の離島、神津島に行ってきた。再度行くこともあろうかと、旅程をなぞりながら書き留める。
出発
東海汽船の大型フェリーを利用することで、竹芝埠頭から半日ほどかけて直接行くことが出来る。大型フェリーは絶えず竹芝と神津島を往復しているようで、一日一本のみ、かつ出発時間は固定であった。オンシーズン中は高速船も出ており、4時間ほどで行くことも出来るらしい。
行きは22:00発、特2等の席を利用した。事前にネットで申し込むことでネット割を受け、8,240円であった。
竹芝客船ターミナルはgoogle maps上では2つあり紛らわしいのだが、東海汽船のホームページの情報を見ればすぐわかり、竹芝駅に近いほうがそれであった。建物に入ると予約していても窓口に並ぶ必要があり、スマホで予約番号を見せて往復のチケットを受け取った。チケットには乗客の情報を記入する欄があり、記入が求められる。記入後はスムーズに乗船が出来たので、出発15分前に建物着くらいがギリギリのラインであろう。今回は30分前に着き、余裕があった。
窓口に向かって左方向に進み乗船口へ向かうと、待機用の場所があったが、少しそこに突っ立っていると係員さんが神津島行きは先に行くように教えてくれた。なお、途中に売店があったが一切確認しなかった。あとで調べてみると、島で売っているお土産が買えそうな情報があった。
ウイルスの影響で体温検査があった。赤外線温度計を用い、非接触かつ非常にスムーズであった。
乗船するとすぐ大きな荷物用のスペースがあった。キャリーケースや釣具、クーラーボックス等がここに置ける。特2等の席は二段ベッド型だが、そこそこの広さで、また床はベッドではなくカーペット敷きであった。自分はカーペットの肌触りが好みでないので、配布されていた毛布を床に敷いた。また40L程度のバックパックであれば足か頭の方に置くことが出来、複数人で共用の棚もベッド外にあるので、それに入れることも出来た。
出発すると割と直ぐにレインボーブリッジをくぐる。ここではやはり一番上のデッキが屋根もなく最も楽しめる。東京湾内は波も風も穏やかなので、存分に景色を楽しめる。少し時間をおいて横浜港に入港するので、自分は見てないが、ベイブリッジも見ることが出来るようだ。時期柄、ダイヤモンド・プリンセス号が見えたのは面白かった。
船内のレストランも利用できる。メニューは食べログでも見れば見れるが、概ね1000円前後で普通の値段だ。瓶ビール(アサヒの大瓶)700円とおつまみになんこつ揚げ500円を買って楽しんだが、船内の自動販売機では恵比寿350ml缶が300円程度なので、わざわざレストランを利用するまでもなかったかもしれない。
船室は空調完備で、特2等はカーテンもあることから若干暑かった。なかなか寝付けずデッキに出て体を冷やしたりもした。
到着
朝早く、まずは伊豆大島到着のアナウンスで起こされる。乗降時間はかなり短く、さっと着いてさっと出発する。
雨が降り出して、利島、新島、式根島とだんだん接岸時の波の激しさが増して行った。これまでもそうであったが、目的の神津島には予定通り10時着。船まで定刻通りの日本には驚かされる。
風が強い影響で、集落の中心に近い神津港ではなく、反対側の多幸湾に到着。後に宿の方に聞いたところ、冬季は風が強い日が多く、大体多幸湾に着くそうだ。また、このように風が強くても接岸出来るので、他の港が一つしかない島に比べて荒天時にもアクセスがしやすいらしい。
多幸湾からは堤防の付け根に待ち構える10:20発のバスで市内へと移動。200円。待合用の建物が気になるかもしれないが、帰りにたっぷり滞在することになるので寄る必要はない。
バスは観光協会の建物、通称まっちゃーれセンターに着く。歩いて5分ほどの宿に向かう。
宿
今回はゲストハウス シヨウゴロに滞在。二段ベッドのドミトリーで一泊4000円。宿泊部屋は一階だが、二階に良い感じの共用部屋があり、キッチンが一通り使え、テレビや大きめのテーブルも利用できる。洗面台は3つ、トイレも3(大)+1(小)個もある。風呂・シャワーは一室のみだが、脱衣所が広くて使い勝手は良かった。
昼食
まっちゃーれセンターのそばのお土産店+食堂のよっちゃーれセンターにて昼食。概ね1000円で定食が食べれる。刺身定食はやや刺身が冷た過ぎたが、汁物や付け合せの天ぷらに名産品である明日葉が使われているなど、地物を味わえて満足度は高い。調べたところ、神津島の金目鯛は脂が少ない種類らしく、バスの運転手が釣れても人にあげるといったのも分かる味がした。(十分美味しかったけど。)
散策
市内を徒歩にて散策。高低がきついかと思いきや、海岸に並行方向は全くそんなことはなく歩き易かった。ただ、道が広くないのに車通りは多くて、少々の注意は必要。
スーパーまるはんにて、寿司や刺身など購入。初日の晩飯として食べたが、赤鯖(調べたらハチビキと呼ばれるスズキ目の魚)の刺身は食べごたえがありつつ味も良かった。また食べたい。各種商品は都内よりも少し高めで、輸送量などが入っているように思えた。基本的なものはだいたい売っていて、輸入の冷凍魚もあったり、一部を除けばごく普通のスーパーであった。なお、コロナの影響は届いていないのか、トイレットペーパーは普通に売っていた。
もろみやにて島の焼酎、盛若を購入。種類が色々あり迷う。樫樽3年熟成の恩馳をお土産に買ってまだ飲んでいないが、二日目の夜に普通のを飲んで美味しかったので、普通のでいいじゃんってなった。恩馳が更に美味しいと嬉しい。なお、後で調べたところ、竹芝ターミナルの売店で盛若が売っているとの情報を見た。
神津島オートサービスにて釣具を拝見。前はレンタルもしていたが、あまりにも壊されるから止めたらしい。それで安い竹竿を売り始めたが、これも捨てて帰る人がいて止めたらしい。今は安めのセットを少量入荷して売っていて、一緒に行った友人はこれを買った。
夕飯など
釣り組と酒組に別れて、自分は酒。Hyuga breweryに行った。ビールは自家醸造が4種類繋がっていた。明日葉を使ったエールのアンジー、シードルのような味わいがするホワイトエールの向日葵、口当たり柔らかくやや軽めのブラウンエールの燈、これまた柔らかい印象のすこし甘いスタウトの冥王の盃。どれも一杯700円で300mlないくらいの量なので、普通か少し安いかの値段設定。マルゲリータピザを食べたが、これがとても美味しかった。
釣り組と合流しに海に行くと風が凄まじく吹き荒び、とても寒い。堤防はツルツル滑り、かなり危険な感じがした。即撤退。
一応友人がミナミハタンポ6匹を釣ったので、宿にて調理した。共用スペースのキッチンはかなり使い勝手が良く、包丁の切れ味以外は快適な調理が出来た。使っていい調味料を駆使し、塩焼きと煮付けを作成。
スーパーで買った寿司刺身と、もろみやで買った焼酎、盛若の島と頂く。寿司は冷蔵庫に入れっぱなしにするとめちゃめちゃ固くなることを学んだ。
宿は23時就寝で、あまりきっちりしなかった為に少し過ぎてからの就寝となってしまった。片付けもいくつかのゴミを袋にまとめたところで放置してしまったらしく、反省している。
2日目朝
釣り組が朝釣りに出ていたので、起床後とことこ神津港へ。季節柄仕様がないが、風が非常に強く、地元民は釣りなどしない様子であった。
この日は登山をする予定なので、朝昼兼用のご飯を買いに行く。島唯一のパン屋らしい藤屋ベーカリーにていくつかパンと飲みものを購入。カップ麺という選択肢もありえたと思ったが、後に山では火気使用禁止だと分かる。どうしてもという場合は保温瓶にお湯を入れていく必要がある。
登山口まで
食料と宿の方から貰った地図を持って山に向かう。上着はダウンジャケット、荷物はビニール袋で向かったが、登山道中は案外細い枝に擦れることが多く、適していなかった。次回は表面がつるつるしたマウンテンパーカーに小さめのバックパックで行こう。
登山道までの舗装路はそこそこ険しく、割と疲れる。工事中で通れない場所もあり遠回りするなどした。途中の謎名所「山の神・冷風穴」は冬だったから完全に謎だった。夏は冷たい風が出てくるらしい。
登山口直前にトイレがある。ここからの景色が十分によく、この後の辛い登りを知っていたらここで帰っていたかも知れない。
登山
黒島登山口から登山開始。ひたすらジグザグと登る道で、度々何合目かの表示があるのだが、先がかなり長く心が辛くなる。たまにベンチがあったりした気がするが、写真がないので不確か。登るにつれてどんどん景色は広がり、それだけがやる気を促してくれる。なお、登山中は常に風が強い。
登り切ると展望の良い場所へ案内があり、そこまで行くと吹き荒ぶ風の中、これまで見てきた場所と異なる島の側面が見渡せる。
表砂漠へ向かうと、これまで緑が多かった景色が、岩や砂へと変わる。生えている植物からも察せられるが、この島が火山だということを強く認識できる。
裏砂漠へ向かう。このあたりで、登るまでは辛かったが登ってからは案外垂直方向移動が少なく、楽に回れることが分かってくる。風だけが辛いが、巡る景色は素晴らしく、なかなか楽しめる。
裏砂漠が見下ろせる場所で、岩の影に隠れて風を凌ぎつつ、パンを食べる。この当たりでビニール袋は度重なる木の枝の突きでボロボロになっていた。風が強いので、パンの包装のラップが風に舞うなどしたが、なんとか回収した。
並ぶ石で道が示される裏砂漠を下り、裏砂漠展望地へ。更に進み新日本百景展望地へ。ここからの眺めが個人的に最も気に入ったかも知れない。付近の他の島が眺められ、地球が丸く見えた。なお、展望台的な場所が立入禁止のように封鎖されており、見てみるとこの展望地は崖っぷちにあり、一部崩れているように見受けられた。
更に進むと、謎の不動池なる池に到着。机や椅子があり、割と小さい子どもたちを引き連れたグループが休憩をしていた。池はなんだか良くわからないが、祀られているなどした。ここに久しぶりのトイレがある。
天空の丘に寄りつつ、山頂へ向かう。これまでと異なりやや道案内が不明瞭だった。とはいえそれほど迷うような地形でもないので、必要に応じてなのだろう。山頂にはなぜかカラスがいた。三脚を立てて集合写真をとる時に、一人の友人が自ら誕生日を宣言。朝起きたときは覚えており言葉をかけようと思っていたのだが、釣り場の強風のせいかすっかり忘れていた。してやられた。
あとは下山するだけである。ここまで景色を十二分に楽しめ、体力的にもへとへとだったので、無心でするする降りていった。景色は相変わらず良く、昔に崩れ落ちた跡の場所からは再び集落の全体が望めた。最初は岩や砂だが、途中から植物の間をすり抜けるのは登りと同じである。トイレのあるところまで降りると、あとは舗装路があるので車のあてがある人はそこにたどり着ければ後は楽に帰れる。ここで地元の方にお声がけを頂いたのだが、折角なので最後まで徒歩で変えることに。
トイレからは緑のトンネルをひたすら進む。途中なぞのお堂があったり、登山道を示す案内の表記がばらばらだったりとそこそこ楽しんだ。
舗装路にでるともうすぐ町である。やはり風が強く、空き缶が坂を駆け上がっていた。
宿休憩のち温泉
一旦休憩である。宿の方に神津島温泉保養センターについて伺うと、車で送ってくれるということなので、お言葉に甘えることにした。夕焼けの時間を目安に出発する。現地だと800円の入館チケットが600円で買えるということで、まっちゃーれセンターに一瞬だけ寄る。温泉は車だと一瞬で、歩くとそこそこの距離がありそうだった。
普通の内風呂に加えて、水着着用で混浴の露天がある。中では水着着用不可なのでちょっと面倒くさい。また相変わらず風が強く、露天風呂のお湯までの道のりは少し体が震えるほどであった。露天はいくつかあったらしいが、この日は少露天風呂のみで、他のエリアへの道は木の板で塞がれていた。
お湯はとにかくしょっぱかった。目に入ると痛いほどである。露天は小さいながらも、他の客がいなかったのでそこそこはしゃいで楽しめた。ただし、目的としていた夕日は、露天の位置が悪く、岩を眺めるのみとなった。
ご飯とお酒
小耳に挟んだ赤ちょうちんと呼ばれる店に行ってみた。別れの季節のせいか非常に混雑しており、カウンターで軽く飲む程度にした。赤いかの刺身を是非食べたかったのだが、残念ながら無く、塩辛を食べた。美味しかった。今考えるとお土産で塩辛を買ってきても良かったかも知れない。あと無印の盛若を飲んだ。かなり美味しく、これもまた買ってくれば良かったと、今思い返している。
小雨が振ってきたのでつけ麺行こうかと話していたのも流れ、ビールへ。Hyuga breweryはやはりピザが美味しい。ビールはそこそこなので、あまり期待すると良くない。
宿に戻って昨日の余り物を片付ける。焼酎も飲んだがやはり1升は多い。これは持って変えることになる。その後就寝。登山でへとへとだった。
3日目帰路へ
起きて朝飯を買いに行く。その前に改めて町を一周して砂浜を歩くなどした。関庄商店にておにぎり弁当を購入。宿で食べる。島の食べ物らしい醤油味のおにぎりは落ち着いた味で美味しく、一緒についてきたカワハギの乾物のようなものがとても合った。
少しバタバタしながらまっちゃーれセンターへ行き、バスに乗る。予想外に混雑しており、ほぼ満席だった。
何故かルートで決まっているために途中で飛行場に寄るなどして、定刻通り多幸湾に着く。少し時間もあり、待合所で時間を潰す。
船
船が着き、降りる人や物を眺めていると、直ぐに乗船になる。帰りは二等の雑魚寝席である。船の一番下の階に位置しており、外の空気を吸いに出るのにやや不便だった。定刻通り10:30に出発する。
天気が良かったのでしばらくは小さくなっていく神津島を眺めることが出来た。海は青く、昨日満喫した火山地形が美しく存在感を放っていた。
しかし、残念ながらこの日の船はある程度揺れた。友人が酔ったようで、レストランでの食事を諦めたり、途中で止まるなどしていた。自分が食べたカレーは文句なく美味しかった。
さらに途中で竜巻発生との話を聞く。レストランの方が楽しげに教えてくださったので、中々珍しい現象らしい。この目で見ることは叶わなかったが、動画を見せて貰えた。
船が竹芝港に着くのは19時過ぎであった。揺れもある程度収まったりしたので、雑魚寝エリアでボードゲームをするなどゆっくりとした時間を楽しむことが出来た。
到着後はそのまま解散。流石に9時間ほど船で一緒に過ごしたので、わざわざ夕飯やらに行く雰囲気にはならない。
終わりに
次回行くときのためにと思い書き始めたが、前半後半を書く間に時間が立つなどして、後半はただの日記と化して本来の趣旨の情報の記録になっていないかも知れない。とりあえず書ききることが重要なので、もし気が向いたら加筆修正しようと思う。
香港のクラフトビアバー情報(2019/11)
はじめに:ブリューパブは(ほぼ)ない
面積の割にブルワリーが多い印象を受ける香港だが、残念なことになぜか尽くブリューパブがなかった。一部、工場見学や試飲を行っているところもあるようだが、場所が悪かったり日時が限られてたりするので、結局行かずじまいであった。
以上の理由で、この記事では実際に行ったいくつかのビアバーとボトルショップの情報をまとめる。
TAP: The Ale Project
香港島の繁華街、旺角にあるビアバー。18tap繋がっており、そのうち10tapが香港国内のクラフトビールで、残りがハードサイダーおよび輸入ビールに割り当てられていた。香港のビールは Young Master を推しているようで7tapもあり、残りに Heroes と Carbon Brews のビールが繋がっていた。輸入ビールの傾向はあまり分からなかったが、ニュージーランドのブリューワリー(8 Wired, Garage Project)が3つも繋がっていたのが印象に残っている。一応ボトルビールも15種類ほどあったが、概ね6000円程度のものが多く、1,2人で飲みに行った時にはちょっと高くて選択肢に入らないであろう。
ビールのサイズは 0.2, 0.4, 2.0 L の3つがあり、小さいサイズがあるので比較的色々試せるのがとても良かった。有名店のようでかなり混みがちなので、行くタイミングには気をつけたほうが良さそう。
TAP: The Ale Project (The Mills)
上記の店の2号店のようだが、かなり中心部から離れている場所にあり、なぜここに作ったのかは謎。19tap繋がっており、そのうち12tapが香港国内のクラフトビールで、残りが輸入ビールに割り当てられていた。ビールの傾向は旺角の店と同様でYoung Masterが圧倒的に多かった。こちらはボトルビールが割と豊富で、特に Heroes と Carbon の缶や瓶が割と普通の値段で置いていた。店で飲むと少し価格が上乗せされるが、選択肢が増えるのは嬉しく、また、持ち帰りというかお土産として買うのにも便利。グラスなどのグッズも販売している。
ビールのサイズや値段は基本的には旺角の店と同じだが、立地のせいか割と空いており、また敷地面積も広いのでゆっくり飲むことが出来る。
ここで買うことが出来た少量生産の貴重なスタウト(HHRBAIMSwCN&V (2nd Anniversary Beer) - Heroes Beer Co. - Untappd)はお土産として持ち帰ったビールの中で最も美味しかった。
The Madhouse Taproom | Craft Beer | 手工啤酒專門店
旺角にある輸入ビール多めのビアバー。およそ20tapほど繋がっており、エール、ラガー、サワー、強めの黒ビールやサイダーまで幅広く揃えている。タップの上に大きなディスプレイでメニューを表示しているが、よく見るとそれぞれの上の部分に明るめから暗めの緑色が振り分けられており、それで値段が変わる。全体的にやや高めの値段設定ではあったが、ビールがビールなだけに妥当の範囲内。
訪ねたときの店員さんはとても気さくで、日本旅行もしているようで、日本と香港のビアバーについて色々情報交換させて頂いた。
香港内のビールに拘らず、美味しいビールが飲みたければここがベストであろう。
Hoppy Junction
香港島、金鐘站か湾仔站から少し歩いたところにあるビアバー。背が高くがっしりした体型ながらも優しさ溢れる店主が印象的な店であった。香港国内のクラフトビールを14tap提供しており、Lion Rock, Gweilo, Carbon Brews, Heroes, Young Masterなど幅広いブリューワリーのやや定番目の銘柄を揃えていた。店主の方は好みのビールを提供しようと多分に話かけてくれ、こっちの好みを尋ねた上で、それぞれのビールの特徴などを丁寧に説明してくれた。
提供サイズは330mlと473mlの二種類で、それぞれおよそ900円、1150円程度と香港のビアバーではごくごく標準的な値段。
気を張らずにちょっと美味しいビールでも飲もうかなという時に行きたい。
The Roundhouse - BBQ + Beer
香港駅からエスカレーターを駆使して坂を登った先にあるビアバーとBBQの店。どうしても強めの黒ビールが飲みたくなって、Choco Rainforest - Carbon Brews - Untappdを飲むためだけに訪問した。行ってはいないが、別の場所に姉妹店があるようである。
国内、海外比は8:10程度と、海外がやや多めで18tapあり、ボトルも数種類だけ用意されていた。なぜか値段の表示がなくやや困惑するのだが、(一杯だけ飲んだ結果)普通の値段設定と感じた。また場所も時間も悪くなかったはずだが、なぜか店はガラ空きでそこもやや不安になった。
全体的に可もなく不可もなくといった印象で、ご飯次第でまた評価が変わると思う。
クラフティッシーモ 上環
駅は違うが、これまた上環站から坂を登った先にあるお店で、こちらはビアバー兼ボトルショップ。ドラフトは国内6種類程度しかないが、代わりにたくさんのボトルがあって色々目移りするのが楽しい。価格はものによって様々で、国内のボトルは比較的安くまた概ね冷蔵庫に入っているので、その場で飲みやすい。席は店の外に用意されており、ベンチが3個程度に複数人で囲んで座れるエリアが一箇所といった、あまり大きくない店構え。
筆者は行っていないのだが、近くにサワー系を多く出すBlue Supremeという店があるので、こちらと合わせて訪ねると良いかもしれない。
Kowloon Taproom
尖沙咀にあるクラフトビールは香港国内のもの限定のお店。18tapほどあり、国内のブリューワリーの定番系が並び、サイズも12oz, 16ozでそれぞれおよそ900円、1150円程度と、ビールについては先に紹介したHoppy Junctionと似ている感じがある。ただし、こちらの店は前面が開放されている店構えで、また店内は薄暗く都会感の強い印象があり、雰囲気としては全く似ていない。
尖沙咀は何かと寄ることが多い場所なので、使い勝手の良さが嬉しい。
99 Bottles
香港駅から坂を登ったところにある立ち飲みのビアバー。名前の通り、ボトルと缶がたくさん並んでおり、主にそれらを楽しむ店である。ドラフトもあるにはあったが、たしか大手のビールばかりだった記憶がある。国内のブリューワリーが概ね揃っており、色々と選ぶ楽しさはあるが、如何せん定番が多い割に開栓料なのかやや高く、個人的にはあまり好きな営業形態ではなかった。店も狭く、常連客がさっと楽しんでいくような店と見受けた。人によって印象は異なるはずなので、ちょっとたくさん並んだビールを眺めに行ってみることをお勧めする。
香港ブリュークラフト
香港駅から坂を登る途中にあるお店。非常に見つけにくいのだが、ビルの南東面の小さな入口からエレベータを登るとたどり着くことが出来る。こちらは、ビアバーでは無く、ボトルショップであり、また自家醸造用の材料や道具を売っているお店である。自家醸造の講習も行っているようで色々と面白い。
ビールは海外のものが多めに置いてあるが、やや高めのものが多く、香港国内のビアギーク用の店のような印象。ただし、そのおかげか、国内ビールの貴重なボトルも多めに置いてあり、お土産ビールを買うにもかなりおすすめな店である。
小さい店ながらもビールがたくさん詰まっており、訪問を強くおすすめする。
以上が自分が実際に訪ねたお店全てであるが、ビアバー、ボトルショップともにまだまだたくさんあり、主なものすら回りきることは出来なかった。旅行期間がデモの時期と重なってしまったことで日程的、また時間的な融通が効かなかったのが本当に残念である。
狭いながらもクラフトビールがたくさんあり、また樽熟成のスタウトやフルーツサワーなどが意外と作られていて、香港は日本よりクラフトビールが進んでいる印象があった。ぜひここで紹介した店への再訪と新たな店の開拓をしたい。
ホーチミンのクラフトビール情報(2019/3)
Pasteur Street Brewing Company
国内で獲れた原材料を使った多様なビールを作りつつも、全てのビールがとても美味しい。
代表作は、ボトル販売もされている、JASMINE IPA、PASSION FRUIT WHEAT ALE、IMPERIAL CHOCOLATE STOUTのようだが、その他のビールもおすすめである。
特に、軽い気持ちで試したセゾンは思いがけない当たりであった。
ドラゴンフルーツを使ったゴーゼは見た目も楽しく、コーヒーポーターも清涼感のあるコーヒーの香りが印象的だった。
Heart of Darkness Brewery
20種類ほどのビールがタップで用意され、とにかく種類が多く、半分程度が季節限定であるため、長期に渡って楽しめそうなブリューワリー。
ボトル販売もレギュラービールを中心に行われている。
どれを飲んでも美味しく、外れはないが、個人的な大当たりは見つからなかった。
ピルスナーが複数レギュラーにあり、その中でもキュウリを使ったピルスナーは独特で、一度試してみる価値がある。
East West Brewing Company
広いブリューパブで、タンクを眺めながら飲むことができる。広さを生かして、ツアー会社を通した工場見学もやっているようで、欧米人の団体が押し寄せている時間もあった。
ボトル販売もぼちぼち行っている。
ベルギー系のビールが多く、IPA、ブロンドエールからダークエールまで、おおむね似た味わいを中心に据えており、美味しいものの、やや単調な印象も受けた。
その対比からなのかは分からないが、ヘーフェヴァイツェン、またジュース感覚で飲めるサイゴンロゼの2つはなかなか良かった記憶が残っている。
スタウトは悪くなく、かつ大きめの瓶で500円程度で販売もされているので、もしベトナムに住むことになれば愛飲するだろう。
Winking Seal Beer Company
ウインクしているのか、片目を失ったのかがややわかりにくいアザラシが可愛いブリューワリー。
缶での販売をしているようだが、今回の滞在では見かけなかった。
8種類程度を常設しているようだが、訪ねたときは2つほど切らしており、種類が少ない印象が強く残っている。
ビールは概ねスッキリした味わいのものが多く、土地柄に合わせたビールを作っているように感じた。
メニューの最初にドライスタウトを持ってきている意図が気になって仕様がなかった。
Rooster's Brewing Company
ベトナム語表記では Bia ga (鳥ビール)で、ちょっと抜けた印象のブリューワリー。
ボトル販売は一切見かけなかった。
6種類のレギュラーに加えて、季節限定も醸造している。
レギュラービールはどれも、薄め、甘めで単体で飲むクラフトビールとしては不満足であった。おそらくベトナム料理と合うのであろうが、ビールを飲む目的としてはいまいち。
しかしながら、季節限定のダブルIPAだけは非常に美味しく、味の濃さとホップ感が絶妙であった。このダブルIPAだけは、確実に試す価値がある。
C-Brewmaster
めちゃくちゃタップが並んでいるのに、切らしているものが多く、非常にベトナムらしさを感じさせてくれたブリューワリー。
ボトル販売も精力的に行っているようであるが、宿泊した宿以外では見かけなかった。
ビールは薄め、甘めのものが多く、7%あるらしいトリプルIPAや、9%あるらしいダークエールは本当にそのアルコール度数があるのか疑問が残る味わいだった。
変わり種は多少は面白く、ミントを使ったもの、レモングラスを使ったものは、一度は試しても良いレベル。
番外編
BiaCraft Artisan Ales
他の店のビールも出しつつ、独自のビールも作って提供している店。
ペールエールを1杯だけ飲んだが、これも薄めの地元系のビールかなという印象を受けた。もう少し種類を試す必要がある。
タップだけでなくボトルでも他店ビールを出しているので、同時に色々なビールを飲むのには良さそう。
Lac Brewing Company
タップルームがグーグルマップに載っているのに全然見つからず、レビューによって改装中であることが分かった。
マンゴーIPAが主力商品らしく、一度別のビアバーでタップで飲んだが、なかなか美味しかったので、次回は是非タップルームで色々試したい。