神津島旅行(2020/03)

新型コロナウイルスで旅行自粛ムードが漂うなか、これならリスクは少ないかと思い、2020/03/13-16の日程で、東京都の離島、神津島に行ってきた。再度行くこともあろうかと、旅程をなぞりながら書き留める。

 

出発

東海汽船の大型フェリーを利用することで、竹芝埠頭から半日ほどかけて直接行くことが出来る。大型フェリーは絶えず竹芝と神津島を往復しているようで、一日一本のみ、かつ出発時間は固定であった。オンシーズン中は高速船も出ており、4時間ほどで行くことも出来るらしい。

 

行きは22:00発、特2等の席を利用した。事前にネットで申し込むことでネット割を受け、8,240円であった。

竹芝客船ターミナルはgoogle maps上では2つあり紛らわしいのだが、東海汽船のホームページの情報を見ればすぐわかり、竹芝駅に近いほうがそれであった。建物に入ると予約していても窓口に並ぶ必要があり、スマホで予約番号を見せて往復のチケットを受け取った。チケットには乗客の情報を記入する欄があり、記入が求められる。記入後はスムーズに乗船が出来たので、出発15分前に建物着くらいがギリギリのラインであろう。今回は30分前に着き、余裕があった。

窓口に向かって左方向に進み乗船口へ向かうと、待機用の場所があったが、少しそこに突っ立っていると係員さんが神津島行きは先に行くように教えてくれた。なお、途中に売店があったが一切確認しなかった。あとで調べてみると、島で売っているお土産が買えそうな情報があった。

ウイルスの影響で体温検査があった。赤外線温度計を用い、非接触かつ非常にスムーズであった。

 

乗船するとすぐ大きな荷物用のスペースがあった。キャリーケースや釣具、クーラーボックス等がここに置ける。特2等の席は二段ベッド型だが、そこそこの広さで、また床はベッドではなくカーペット敷きであった。自分はカーペットの肌触りが好みでないので、配布されていた毛布を床に敷いた。また40L程度のバックパックであれば足か頭の方に置くことが出来、複数人で共用の棚もベッド外にあるので、それに入れることも出来た。

 

出発すると割と直ぐにレインボーブリッジをくぐる。ここではやはり一番上のデッキが屋根もなく最も楽しめる。東京湾内は波も風も穏やかなので、存分に景色を楽しめる。少し時間をおいて横浜港に入港するので、自分は見てないが、ベイブリッジも見ることが出来るようだ。時期柄、ダイヤモンド・プリンセス号が見えたのは面白かった。

 

船内のレストランも利用できる。メニューは食べログでも見れば見れるが、概ね1000円前後で普通の値段だ。瓶ビール(アサヒの大瓶)700円とおつまみになんこつ揚げ500円を買って楽しんだが、船内の自動販売機では恵比寿350ml缶が300円程度なので、わざわざレストランを利用するまでもなかったかもしれない。

 

船室は空調完備で、特2等はカーテンもあることから若干暑かった。なかなか寝付けずデッキに出て体を冷やしたりもした。

 

 

 到着

朝早く、まずは伊豆大島到着のアナウンスで起こされる。乗降時間はかなり短く、さっと着いてさっと出発する。

雨が降り出して、利島、新島、式根島とだんだん接岸時の波の激しさが増して行った。これまでもそうであったが、目的の神津島には予定通り10時着。船まで定刻通りの日本には驚かされる。

風が強い影響で、集落の中心に近い神津港ではなく、反対側の多幸湾に到着。後に宿の方に聞いたところ、冬季は風が強い日が多く、大体多幸湾に着くそうだ。また、このように風が強くても接岸出来るので、他の港が一つしかない島に比べて荒天時にもアクセスがしやすいらしい。

多幸湾からは堤防の付け根に待ち構える10:20発のバスで市内へと移動。200円。待合用の建物が気になるかもしれないが、帰りにたっぷり滞在することになるので寄る必要はない。

バスは観光協会の建物、通称まっちゃーれセンターに着く。歩いて5分ほどの宿に向かう。

 

宿

今回はゲストハウス シヨウゴロに滞在。二段ベッドのドミトリーで一泊4000円。宿泊部屋は一階だが、二階に良い感じの共用部屋があり、キッチンが一通り使え、テレビや大きめのテーブルも利用できる。洗面台は3つ、トイレも3(大)+1(小)個もある。風呂・シャワーは一室のみだが、脱衣所が広くて使い勝手は良かった。

 

昼食

まっちゃーれセンターのそばのお土産店+食堂のよっちゃーれセンターにて昼食。概ね1000円で定食が食べれる。刺身定食はやや刺身が冷た過ぎたが、汁物や付け合せの天ぷらに名産品である明日葉が使われているなど、地物を味わえて満足度は高い。調べたところ、神津島の金目鯛は脂が少ない種類らしく、バスの運転手が釣れても人にあげるといったのも分かる味がした。(十分美味しかったけど。)

 

散策

市内を徒歩にて散策。高低がきついかと思いきや、海岸に並行方向は全くそんなことはなく歩き易かった。ただ、道が広くないのに車通りは多くて、少々の注意は必要。

スーパーまるはんにて、寿司や刺身など購入。初日の晩飯として食べたが、赤鯖(調べたらハチビキと呼ばれるスズキ目の魚)の刺身は食べごたえがありつつ味も良かった。また食べたい。各種商品は都内よりも少し高めで、輸送量などが入っているように思えた。基本的なものはだいたい売っていて、輸入の冷凍魚もあったり、一部を除けばごく普通のスーパーであった。なお、コロナの影響は届いていないのか、トイレットペーパーは普通に売っていた。

もろみやにて島の焼酎、盛若を購入。種類が色々あり迷う。樫樽3年熟成の恩馳をお土産に買ってまだ飲んでいないが、二日目の夜に普通のを飲んで美味しかったので、普通のでいいじゃんってなった。恩馳が更に美味しいと嬉しい。なお、後で調べたところ、竹芝ターミナルの売店で盛若が売っているとの情報を見た。

神津島オートサービスにて釣具を拝見。前はレンタルもしていたが、あまりにも壊されるから止めたらしい。それで安い竹竿を売り始めたが、これも捨てて帰る人がいて止めたらしい。今は安めのセットを少量入荷して売っていて、一緒に行った友人はこれを買った。

 

夕飯など

釣り組と酒組に別れて、自分は酒。Hyuga breweryに行った。ビールは自家醸造が4種類繋がっていた。明日葉を使ったエールのアンジー、シードルのような味わいがするホワイトエールの向日葵、口当たり柔らかくやや軽めのブラウンエールの、これまた柔らかい印象のすこし甘いスタウトの冥王の盃。どれも一杯700円で300mlないくらいの量なので、普通か少し安いかの値段設定。マルゲリータピザを食べたが、これがとても美味しかった。

 

釣り組と合流しに海に行くと風が凄まじく吹き荒び、とても寒い。堤防はツルツル滑り、かなり危険な感じがした。即撤退。

一応友人がミナミハタンポ6匹を釣ったので、宿にて調理した。共用スペースのキッチンはかなり使い勝手が良く、包丁の切れ味以外は快適な調理が出来た。使っていい調味料を駆使し、塩焼きと煮付けを作成。

スーパーで買った寿司刺身と、もろみやで買った焼酎、盛若の島と頂く。寿司は冷蔵庫に入れっぱなしにするとめちゃめちゃ固くなることを学んだ。

 

宿は23時就寝で、あまりきっちりしなかった為に少し過ぎてからの就寝となってしまった。片付けもいくつかのゴミを袋にまとめたところで放置してしまったらしく、反省している。

 

 

2日目朝

釣り組が朝釣りに出ていたので、起床後とことこ神津港へ。季節柄仕様がないが、風が非常に強く、地元民は釣りなどしない様子であった。

この日は登山をする予定なので、朝昼兼用のご飯を買いに行く。島唯一のパン屋らしい藤屋ベーカリーにていくつかパンと飲みものを購入。カップ麺という選択肢もありえたと思ったが、後に山では火気使用禁止だと分かる。どうしてもという場合は保温瓶にお湯を入れていく必要がある。

 

登山口まで

食料と宿の方から貰った地図を持って山に向かう。上着はダウンジャケット、荷物はビニール袋で向かったが、登山道中は案外細い枝に擦れることが多く、適していなかった。次回は表面がつるつるしたマウンテンパーカーに小さめのバックパックで行こう。

登山道までの舗装路はそこそこ険しく、割と疲れる。工事中で通れない場所もあり遠回りするなどした。途中の謎名所「山の神・冷風穴」は冬だったから完全に謎だった。夏は冷たい風が出てくるらしい。

登山口直前にトイレがある。ここからの景色が十分によく、この後の辛い登りを知っていたらここで帰っていたかも知れない。

 

登山

黒島登山口から登山開始。ひたすらジグザグと登る道で、度々何合目かの表示があるのだが、先がかなり長く心が辛くなる。たまにベンチがあったりした気がするが、写真がないので不確か。登るにつれてどんどん景色は広がり、それだけがやる気を促してくれる。なお、登山中は常に風が強い。

登り切ると展望の良い場所へ案内があり、そこまで行くと吹き荒ぶ風の中、これまで見てきた場所と異なる島の側面が見渡せる。

表砂漠へ向かうと、これまで緑が多かった景色が、岩や砂へと変わる。生えている植物からも察せられるが、この島が火山だということを強く認識できる。

裏砂漠へ向かう。このあたりで、登るまでは辛かったが登ってからは案外垂直方向移動が少なく、楽に回れることが分かってくる。風だけが辛いが、巡る景色は素晴らしく、なかなか楽しめる。

裏砂漠が見下ろせる場所で、岩の影に隠れて風を凌ぎつつ、パンを食べる。この当たりでビニール袋は度重なる木の枝の突きでボロボロになっていた。風が強いので、パンの包装のラップが風に舞うなどしたが、なんとか回収した。

並ぶ石で道が示される裏砂漠を下り、裏砂漠展望地へ。更に進み日本百景展望地へ。ここからの眺めが個人的に最も気に入ったかも知れない。付近の他の島が眺められ、地球が丸く見えた。なお、展望台的な場所が立入禁止のように封鎖されており、見てみるとこの展望地は崖っぷちにあり、一部崩れているように見受けられた。

更に進むと、謎の不動池なる池に到着。机や椅子があり、割と小さい子どもたちを引き連れたグループが休憩をしていた。池はなんだか良くわからないが、祀られているなどした。ここに久しぶりのトイレがある。

天空の丘に寄りつつ、山頂へ向かう。これまでと異なりやや道案内が不明瞭だった。とはいえそれほど迷うような地形でもないので、必要に応じてなのだろう。山頂にはなぜかカラスがいた。三脚を立てて集合写真をとる時に、一人の友人が自ら誕生日を宣言。朝起きたときは覚えており言葉をかけようと思っていたのだが、釣り場の強風のせいかすっかり忘れていた。してやられた。

あとは下山するだけである。ここまで景色を十二分に楽しめ、体力的にもへとへとだったので、無心でするする降りていった。景色は相変わらず良く、昔に崩れ落ちた跡の場所からは再び集落の全体が望めた。最初は岩や砂だが、途中から植物の間をすり抜けるのは登りと同じである。トイレのあるところまで降りると、あとは舗装路があるので車のあてがある人はそこにたどり着ければ後は楽に帰れる。ここで地元の方にお声がけを頂いたのだが、折角なので最後まで徒歩で変えることに。

トイレからは緑のトンネルをひたすら進む。途中なぞのお堂があったり、登山道を示す案内の表記がばらばらだったりとそこそこ楽しんだ。

舗装路にでるともうすぐ町である。やはり風が強く、空き缶が坂を駆け上がっていた。

 

宿休憩のち温泉

一旦休憩である。宿の方に神津島温泉保養センターについて伺うと、車で送ってくれるということなので、お言葉に甘えることにした。夕焼けの時間を目安に出発する。現地だと800円の入館チケットが600円で買えるということで、まっちゃーれセンターに一瞬だけ寄る。温泉は車だと一瞬で、歩くとそこそこの距離がありそうだった。

普通の内風呂に加えて、水着着用で混浴の露天がある。中では水着着用不可なのでちょっと面倒くさい。また相変わらず風が強く、露天風呂のお湯までの道のりは少し体が震えるほどであった。露天はいくつかあったらしいが、この日は少露天風呂のみで、他のエリアへの道は木の板で塞がれていた。

お湯はとにかくしょっぱかった。目に入ると痛いほどである。露天は小さいながらも、他の客がいなかったのでそこそこはしゃいで楽しめた。ただし、目的としていた夕日は、露天の位置が悪く、岩を眺めるのみとなった。

 

ご飯とお酒

小耳に挟んだ赤ちょうちんと呼ばれる店に行ってみた。別れの季節のせいか非常に混雑しており、カウンターで軽く飲む程度にした。赤いかの刺身を是非食べたかったのだが、残念ながら無く、塩辛を食べた。美味しかった。今考えるとお土産で塩辛を買ってきても良かったかも知れない。あと無印の盛若を飲んだ。かなり美味しく、これもまた買ってくれば良かったと、今思い返している。

小雨が振ってきたのでつけ麺行こうかと話していたのも流れ、ビールへ。Hyuga breweryはやはりピザが美味しい。ビールはそこそこなので、あまり期待すると良くない。

宿に戻って昨日の余り物を片付ける。焼酎も飲んだがやはり1升は多い。これは持って変えることになる。その後就寝。登山でへとへとだった。

 

 

3日目帰路へ

起きて朝飯を買いに行く。その前に改めて町を一周して砂浜を歩くなどした。関庄商店にておにぎり弁当を購入。宿で食べる。島の食べ物らしい醤油味のおにぎりは落ち着いた味で美味しく、一緒についてきたカワハギの乾物のようなものがとても合った。

少しバタバタしながらまっちゃーれセンターへ行き、バスに乗る。予想外に混雑しており、ほぼ満席だった。

何故かルートで決まっているために途中で飛行場に寄るなどして、定刻通り多幸湾に着く。少し時間もあり、待合所で時間を潰す。

 

船が着き、降りる人や物を眺めていると、直ぐに乗船になる。帰りは二等の雑魚寝席である。船の一番下の階に位置しており、外の空気を吸いに出るのにやや不便だった。定刻通り10:30に出発する。

天気が良かったのでしばらくは小さくなっていく神津島を眺めることが出来た。海は青く、昨日満喫した火山地形が美しく存在感を放っていた。

しかし、残念ながらこの日の船はある程度揺れた。友人が酔ったようで、レストランでの食事を諦めたり、途中で止まるなどしていた。自分が食べたカレーは文句なく美味しかった。

さらに途中で竜巻発生との話を聞く。レストランの方が楽しげに教えてくださったので、中々珍しい現象らしい。この目で見ることは叶わなかったが、動画を見せて貰えた。

船が竹芝港に着くのは19時過ぎであった。揺れもある程度収まったりしたので、雑魚寝エリアでボードゲームをするなどゆっくりとした時間を楽しむことが出来た。

到着後はそのまま解散。流石に9時間ほど船で一緒に過ごしたので、わざわざ夕飯やらに行く雰囲気にはならない。

 

終わりに

次回行くときのためにと思い書き始めたが、前半後半を書く間に時間が立つなどして、後半はただの日記と化して本来の趣旨の情報の記録になっていないかも知れない。とりあえず書ききることが重要なので、もし気が向いたら加筆修正しようと思う。